領域表現における音楽表現活動の試み―授業実践「合唱パフォーマンス」を通して―

書誌事項

タイトル別名
  • A Practical Study of Musical Expression Activity in the Area of “Expression”: Through the Class Production of a “Chorus Performance”
  • リョウイキ ヒョウゲン ニ オケル オンガク ヒョウゲン カツドウ ノ ココロミ : ジュギョウ ジッセン 「 ガッショウ パフォーマンス 」 オ トオシテ

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抄録

本稿は、保育者養成課程における音楽表現活動の取り組みについての実践を通して教育的効果を探ったものである。領域表現における音楽表現活動として「合唱パフォーマンス」を設定した理由は、「歌唱時の声に対する具体的なイメージの養成」「音楽を用いた内面的世界の表現力育成」「音楽表現を主とした総合的な表現活動の実体験」「保育者としての資質養成」の4 点である。まず、歌唱時の声に対する具体的なイメージの養成については、歌唱の基礎技術を定着させる呼吸法や発声練習を通し、基本的な歌声についてのイメージを持たせることが出来たと感じる。そして音楽を用いた内面性を表現することについては、自己の内面的世界を徐々に表現することが出来るようになり、他者との対話によって洗練されていった。また総合的な表現育成期間においては音楽表現を再検討する様子も見られた。それらの融合した表現領域の体験は、それぞれの領域において一方通行の影響力ではなく、それぞれが相互に影響し合い、フィードバックしながら上達している様子が見られた。また、大人数で協力しながら同一目的に向かって表現を作り上げるという活動は、コミュニケーション力を主とした人間力を育むことに繋がったのではないかと感じる。今回の合唱パフォーマンスは、限られた時間においての取り組みであったが、最も教育的効果が高いと考えられる総合表現活動である創作ミュージカルや創作オペレッタなどの上演とは規模が異なりはしたものの、同様な教育的効果が得られたと考えても良いだろう。今後、更に領域表現における音楽表現や総合表現活動について調査・研究を進めていきたい。

収録刊行物

  • 研究紀要

    研究紀要 39 205-225, 2017-12-20

    名古屋柳城短期大学

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