モダニズム文学にみるモダンガール

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  • The Modern Girl in Modernist Literature
  • モダニズム ブンガク ニ ミル モダン ガール

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大正末期から昭和初期にかけて,日本は近代化が進展し,西欧の文化や思想が一般に浸透しはじめた。第一次世界大戦後,女性の進学や就職の増加に伴い,上流階級ばかりではなく,一般の女性たちがシンプルで機能的な洋服を着用しはじめ,西欧のファッションが同時代的に取り入られていくようになった。さらに1923(大正12)年の関東大震災を契機に合理的・近代化の象徴である洋服の着用がメディアによってさらに促進された。女性たちは長い黒髪を切り,洋服を着こなし,「モダンガール(通称モガ)」と呼ばれるようになった。しかし,さまざまな分野で注目を浴びたモダンガールは,東京人のパーセンテージにすれば,ごくわずかであった。やがてモダンガールには「毛断」ガールという蔑称までつき,その自由で活発な行動が非難されはじめた。本研究では,「モダンガール」が文学作品においてどのように描かれていたか見ていくべく,龍胆寺雄の『放浪時代』,広津和郎の『女給』を取り上げた。

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