市町村子ども家庭福祉相談実施体制の抱える課題 : 家庭相談員の抱える困難状況を手がかりとして

書誌事項

タイトル別名
  • シチョウソン コドモ カテイ フクシ ソウダン ジッシ タイセイ ノ カカエル カダイ : カテイ ソウダン イン ノ カカエル コンナン ジョウキョウ オ テガカリ ト シテ
  • The Tasks of the Child and Family Social Work Service System in Municipalities : The Difficult Situation as a Clue Felt by Family Counselors in the Family and Children's Guidance Room

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抄録

2004年に児童福祉法が改正され、子ども家庭福祉相談実施体制における市町村の役割強化が図られた。しかしながら、これまでに市町村を対象として行われた全国規模の調査をレヴューすると、実施体制の移行に対する肯定的意見はもとより少なく、現在もマンパワー問題を中心に困難を抱えていることが明らかであった。また、とくに市において子ども家庭福祉相談の一義的窓口機能を果たしていることが多い家庭児童相談室・家庭相談員の意見を検討したところ、法改正をきっかけとして、業務負担が増えているにもかかわらず、家庭相談員の社会的地位を確たるものとする変更が加えられていないことがわかった。先行研究も踏まえれば、ここに見られる結果は、家庭児童相談室を設置している市以外の市町村でも起きている事態だと考えられた。今後、子ども家庭福祉相談に従事するマンパワーについて、その社会的責任や業務負担とバランスのとれた社会的地位(給与や雇用形態、業務内容の見直しなど)を確保すること、否応なく困難化していくケース対応・支援のために、スーパーヴィジョンや研修(トレーニング)などの専門性向上の仕組みを考慮すること、同時に、ケースロードが増えている中、マンパワーの量的側面にも検討を加えていくことなどが必要な改善点として考えられることを論じた。

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