淪陥期上海における柯霊の『万象』の編集について

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タイトル別名
  • ●●シャンハイ ニ オケル ●● ノ バンショウ ノ ヘンシュウ ニ ツイテ
  • Ke Ling and the Late Issues of Wanxiang in Shanghai Under the Occupation by Japan

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抄録

作家柯霊は、1943年7月、淪陥区の上海で雑誌『万象』の編集を引き継いだ。汪精衛政権と日本軍の厳しい規制のもとで、抗日という態度を貫きながらその編集業務に携った。こうした時空において、いかに言論活動を続けていくか、それは常に試練に直面するに等しかった。何を言い、何を言わぬか、言わざるを得ない立場に追いこまれた時、いかように言うか、彼は種々の手段を駆使してこれに当たった。そして新文学の継承、通俗作家をも含めた淪陥区に残留した作家たちへの作品発表の場の提供と、それによる生活扶助、新人作家、女性作家の登用、非占領地区との文化交流、市民への読物の提供、生活知識の普及、等々の面で貢献した。強圧勢力と妥協することなく活動を展開し、淪陥区において特異な文化媒体を維持したのである。淪陥期上海における柯霊の活動を演劇に続いて、『万象』編集活動面で考察した。

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