ジャック・ロンドンのロマンティシズム

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  • ジャック・ロンドン ノ ロマンティシズム
  • Jack London's Romanticism

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ジャック・ロンドンはアメリカ文学史上自然主義に属する作家である。しかし、彼の代表作『野性の呼び声』では、第6章までのリアルで生々しい描写に較べ、最後の第7章では、主人公バックや「伝説的な失なわれた金鉱」について、「幻想的」、「神秘的」な描写が認められる。

また、『白い牙』では、逆境、弱肉強食、適者生存などの自然主義的要素が多く見られるものの、やはり最後の部分で、主人公「白い牙」が人間に飼われ、人間に依存するというストーリーの展開になると、「白い牙」と飼い主の愛情溢れる描写が中心となっている。

さらに、『海の狼』、『バーニング・デイライト』にも男女の愛情を中心にした部分がある。

ロマンティックな面と自然主義的な面が、混然一体となってロンドンの作品は形成されているが、全体的にはロマンティックな色調が優っているという印象を受ける

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