「単純再生産から拡大再生産への移行」の問題について

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  • タンジュン サイセイサン カラ カクダイ サイセイサン エノ イコウ ノ モンダイ ニ ツイテ
  • On "the Transition from Simple to Extended Reprodution"

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『資本論』第二部第8稿の「II)蓄積または拡大された規模での生産」前半の内容として「単純再生産から拡大再生産への移行」の問題を強調する所説を検討し,「II)」冒頭の記述は,『資本論』第一部第7篇と関連づけて,個別資本の蓄積には総生産物の価値-ならびに素材「構成」が拡大再生産の展開可能な状態になっていることが前提されている,と読解されるべきで,そこでは「移行」の問題設定はなされていないこと,また,「移行」に関するエンゲルスによる補筆の前後の現行版の叙述では,角括弧の削除・マルクスの文章との差し替え・語の変更の結果,草稿からの内容的なずれが生じており,補筆が適切ではないことを明らかにした。そして,そこでの主要点は総生産物の諸要素の「配列」・「機能規定」に関する拡大再生産の場合の独自性そのものの解明にあったという読解を,草稿に即してより確定的なものとし,「移行」の問題の解明が第8稿蓄積=拡大再生産論の中心的課題にはされていないことを主張した。

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