斜面崩壊の発生と雨量の再現期間,および2種類の降雨パターンとの関係 : 2013年~2014年の災害を事例に

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  • シャメン ホウカイ ノ ハッセイ ト ウリョウ ノ サイゲン キカン オヨビ 2シュルイ ノ コウウ パターン トノ カンケイ : 2013ネン~2014ネン ノ サイガイ オ ジレイ ニ
  • Landslide Occurrences, Recurrence Interval of Heavy Rainfall, and Two Rainfall Types for Major Disasters in 2013–2014

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抄録

アジアモンスーン地域に位置する日本列島では,毎年,豪雨に伴う斜面崩壊・土石流が発生し,土砂災害として社会・経済に大きな損害を与えている。2013 年~2014 年にかけては,2013 年台風第26 号による伊豆大島(東京都大島町)での土砂災害,2014 年7 月長野県木曽郡南木曽町での土砂災害,2014 年8 月豪雨による広島県広島市での土砂災害が発生し,甚大な被害が生じた。本研究では,これらの土砂災害を事例に,斜面崩壊の発生と降雨の再現期間,および2 種類の降雨パターン(短時間集中(SH)型と長時間継続(LL)型)との関係を分析し,今後の防災情報への応用を考察した。その結果,伊豆大島での土砂災害は再現期間100 年以上の降雨により発生し,SH 型として斜面崩壊が発生しやすい降雨パターンであった。南木曽町の土砂災害は,引き金となった豪雨の再現期間は30 年程度であり,LL 型の降雨パターンとして先行降雨も影響していた。また,2014年8 月豪雨による広島県広島市での土砂災害事例は,2 時間~3 時間雨量がこの地域において非常に大きな値であり,加えてLL 型の降雨パターンとして先行降雨も影響していた。これらの事例について,降雨の再現期間と2 種類の降雨パターンを分析することで,事前に斜面崩壊が発生しやすい降雨パターンの特徴を把握可能であったと考えられる。今後,地形・地質情報を含めて,より多数の事例を分析することが課題である。

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