社会主義市場経済下における中国乗用車産業の基盤形成について

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タイトル別名
  • シャカイシュギ シジョウ ケイザイカ ニ オケル チュウゴク ジョウヨウシャ サンギョウ ノ キバン ケイセイ ニ ツイテ
  • On the Formation of an Industrial Fundamentals of Chinese Car Industry under the Era of “Socialist Market Economy"

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抄録

本稿は社会主義市場経済を打ち出した1990 年代中国における乗用車産業の産業基盤形成を取り扱う。先行研究では1994 年「自動車産業政策」は短期間で効力を失い,90 年代後半「自動車産業は低迷した」との評価が一般的であるが,本当にそうなのか。本稿では,乗用車生産体制の構築,「不足の経済」の解消,モータリゼーション(国内市場開拓)の実現,という3 つの視点に立って,その再検討を行った。結論は以下の3 点である。(1)外資系企業に依存した乗用車生産台数は増加し,97 年にはトラックと同規模,産業全体の3 分の1 を占める重要な構成要素となった。(2)生産量増大を背景に90 年代半ばから輸入減少と市場競争激化が進んだ。(3)乗用車の個人需要は90 年代半ばに20% にも達し,90 年代末の価格引き下げと所得上昇はこれを加速させた。折からアジア通貨危機後の投資先として中国の評価が高まるなか,90 年代の発展を基礎に,2000 年代の爆発的発展が準備された。

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