社会福祉における自己責任と反・自己責任論の諸相

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  • シャカイ フクシ ニ オケル ジコセキニン ト ハン ・ ジコセキニンロン ノ ショソウ
  • A Study of Self-Responsibility and Anti-Self-Responsibility in Social Welfare

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本稿は、近年、貧困と生活保護周辺で強調される自己責任論について、その概念と批判を検討するものである。社会福祉サービス利用時の「自己決定」が浸透するとともに、「自己決定には自己責任が伴う」という形で、自己責任を強調する傾向も生まれた。それはサービスの利用時のみならず、福祉利用の抑制、特に生活保護受給に対するバッシングとして貧困の「自己責任」が喧伝されている。しかし、自己責任の概念は、自己決定の概念に比べて検討が浅く、また自己責任の強調に対する反論としての反・自己責任論も、何をもって反論しているのかは明らかではない。本稿は自己責任論の概念および歴史と変化を確認し、そこから反・自己責任論の批判は何を意図いるのか、別の価値を提示しているのかを明らかにする。そして「責任」の概念を検討することによって、貧困周辺で語られる自己責任の議論の対抗言説が、どのような意味を持つのかを考察する。

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