公立図書館における指定管理者制度導入の課題 : ─短期的利益と長期的利益の比較衡量の視点から─

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  • コウリツ トショカン ニ オケル シテイ カンリシャ セイド ドウニュウ ノ カダイ : タンキテキ リエキ ト チョウキテキ リエキ ノ ヒカクコウリョウ ノ シテン カラ
  • コウリツ トショカン ニ オケル シテイ カンリシャ セイド ドウニュウ ノ カダイ : ─タンキテキ リエキ ト チョウキテキ リエキ ノ ヒカク コウリョウ ノ シテン カラ─
  • Challenges with the Introduction of the Designated Administrator System in Public Libraries: : A Comparison of the Short-term and Long-term Benefits

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抄録

本稿では、指定管理者制度が公立図書館に導入された際の課題について論考を行うものである。第1章では指定管理者制度の概要および対象となる公の施設について論じる。第2章では指定管理者制度の導入状況について他の社会教育施設と比較し検討を行う。第3章では指定管理者制度の導入率が低い理由について、公立図書館はインスティチュート型施設であり人的資本が重視されることを述べる。第4章では指定管理者制度に関するメリットとデメリットを挙げ、論点整理を行う。第5章では公立図書館への指定管理者制度導入の課題として、短期的な利益と長期的な利益の相反があることを指摘する。その理由について、1:負のインセンティブが働く可能性、2:本当にサービスが向上するのか、3:行政に図書館運営のノウハウが残らない、4:他の機関・部署との連携不足による孤立化、5:短期的利益の追求のために長期的利益が損失、6:人口減少への拍車化の6つの観点から論じる。結論として指定管理者制度を検討する際には、短期的な経費削減を主眼とするのではなく、教育・文化政策の長期的な視野を範囲に入れることの重要性を指摘する。

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