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『関東名残の袂』考 : ──その演劇的趣向一斑──

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  • カントウ ナゴリ ノ タモト コウ : --ソノ エンゲキテキ シュコウ イッパン--
  • An Essay on Kanto Nagori no Tamoto

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『関東名残の袂』(宝永五年〈一七〇八〉三月刊)は、江戸の立役中村七三郎の最期物語である。本稿は、『関東名残の袂』が作中で引く七三郎出演狂言について、その描くところの信頼性を確認、次いで得意芸の利用を具体的に示し、七三郎臨終の場についても検討を加えた。まず、七三郎の出演作を引く章段であるが、本文の記事については、配役など正確に狂言の内容を取り入れていた。だが、挿絵には、共演する役者の定紋が相異している例も見られた。次に、七三郎の得意芸をかすめた章段として、巻二の一(本間事)・巻二の三(猫又)・巻三の三(狐)を取り上げた。猫又と狐の場合、これらの所作を得意とした七三郎が、逆に化かされるところに趣向がある。また、七三郎の臨終場面については、『曽我物語』の翻案である可能性を提起した。

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