「特別の教科道徳」における“道徳性"育成の課題 : ─ハンナ・アーレント「悪の凡庸さ」が提起する問題─

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  • 「 トクベツ ノ キョウカ ドウトク 」 ニ オケル"ドウトクセイ"イクセイ ノ カダイ : ハンナ ・ アーレント 「 アク ノ ボンヨウ サ 」 ガ テイキ スル モンダイ
  • 「トクベツ ノ キョウカ ドウトク」 ニオケル “ドウトクセイ" イクセイ ノ カダイ : ─ハンナ ・ アーレント 「 アク ノ ボンヨウサ 」 ガ テイキ スル モンダイ─
  • Issues of Fostering "Morality" in the "Special Subject Morality": : The Problem Raised by Hannah Arendt's "Banality of Evil"

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現在、学校における深刻ないじめを始め、社会においても過重労働や職場のハラスメントなど、私たちのいのちが脅かされ危険に晒される事態が起きている。社会全体を覆う人命や人権の軽視は「道徳性」の崩壊も招きかねない。このような中、2015(平成27)年3月には「学習指導要領」の一部が改訂され、小中学校における「道徳の時間」が「特別の教科である道徳(「道徳科」)」となり「教科」として位置づけられた。本稿は、学校教育における「道徳性」の育成に焦点を当て、とりわけ「善悪を判断する力」が道徳教育によってどのように形成されるのか、あるいはされ難いのかを探っていく。その際、ハンナ・アーレント(Hannah Arendt)が「アイヒマン裁判(1961年)」の傍聴から導き出した「悪の凡庸さ」という概念のもつ意味と、ひとが「善悪の判断」を行う際に不可欠な条件をアーレントの思索を手がかりに、「道徳性」の育成には何が必要かを明らかにした。

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