大岡昇平「一寸法師後日譚」を読む : 神話の現代的変容 (手柄話から政治のメカニズムへ)

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タイトル別名
  • オオオカ ショウヘイ イッスン ボウシ ゴジツタン オ ヨム : シンワ ノ ゲンダイテキ ヘンヨウ

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説明

お伽草子の「一寸法師」のメデタシメデタシの話を、大岡が新たに翻案した意図を探る。母子相姦、姦通、恋といった面からあらたな視点を導入し、英雄であった一寸法師は、政治社会において、神と人間の両面を持つ無力な中間的存在でしかなかったこと、それを、戦中、戦後を生きた作家の知識人批判として、風刺的に描いたものである。神話のあらたな翻案のなかに、フランス宮廷の実態も盛り込んだ意欲的な小説である。

収録刊行物

  • 近代文学研究

    近代文学研究 5 19-34, 2015-03-31

    大東文化大学人文科学研究所

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