これからの情報処理学会 : ディペンダブル情報社会へ

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タイトル別名
  • これからの情報処理学会(第19回)ディペンダブル情報社会へ
  • コレカラ ノ ジョウホウ ショリ ガッカイ ダイ 19カイ ディペンダブル ジョウホウ シャカイ エ
  • Thoughts about the Future IPSJ : Toward the Society with Dependable Information Processing

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抄録

昔,自動車教習所の授業で,「車の中で一番大切な部品はなにか?」と質問された.突然のことでまごまごしていると,先生がさっさと正解をおっしゃった.「答えは,ブレーキです」.なるほど.たしかにエンジンがなければ車は動かない.動かないのは大変なことだが,止まれないことよりはずっとましである.ブレーキがなければ車は止まれず,殺人機械と化す.よってブレーキはエンジンより大事,というわけだ.ITインフラで一番大切なことはなにか.効率か,省エネか.どちらでもない.答えは信頼性・安全性である.効率が悪ければ仕事が遅れる.エネルギーを食うと電気代がかかるし,地球環境に悪い.たしかにこれらも大切だ.しかし,これらよりも,間違った答えを出したり,個人情報が漏洩したり,著作権が破られたりすることのほうが罪が重い.近年では,信頼性と安全性に,可用性・堅牢性・拡張性などを加えて,全体として「ディペンダビリティ」と呼ぶ1).従来,この言葉は主に信頼性を意味していたが,最近では,「人間社会が真に依存(depend)できる」という意味をこめて,広義にこれを使うことが多くなった.本稿では,情報処理学会とディペンダビリティについて,簡単に思うところを述べたい.

収録刊行物

  • 情報処理

    情報処理 48 (7), 783-785, 2007-07-15

    東京 : 情報処理学会 ; 1960-

被引用文献 (2)*注記

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参考文献 (5)*注記

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