1フレーム分の描画処理終了推定によるGPU状態制御

野呂, 正明, 村上, 岳生, 上和田, 徹, 石原, 輝雄

多くのスマートフォンのユーザは端末の電池持続時間を重視している一方で，CPUや液晶ディスプレイと比較して，GPUの消費電力削減の研究開発はそれほど盛んではない．Android端末のGPUは，1回の画面更新の期間に，処理がある期間と処理がないアイドル期間が存在するが，アイドル期間中は短時間で処理再開可能であるが電力の大きな状態に設定されている．一方，Androidでは，1回の画面更新に必要な描画の終了から，次の描画期間の開始までまとまった処理がないアイドル期間が現れる確率が高い．そのため，1回の画面更新の描画処理がすべて終了したことを判定できれば，GPUを低電力状態に設定することが可能となる．本研究の提案手法では，実行中のアプリケーションが更新する仮想画面の数の履歴から，次の描画期間に発生する仮想画面の更新数を推定し，その数の仮想画面の更新が終了した時点でGPUを低電力状態に設定する．Nexus5用にプロトタイプを開発し，実際に動作させて性能評価を行ったところ，アプリケーションの種類によるが，端末の消費電力を1.8%から4.7%削減できた．

About 40% of users select mobile phone by battery life. GPU is one of power cosuming deivce of mobile phone. The GPU in Android phone changes their state (“active” and “idle”) during drawing screen. There are three kinds of idle state (clock gating, partially power gating and power off). But, GPU of mobile phone uses only most power consuming state (clock gating) while drawing idle time.Many Android applications uses GPU very shorter time than the one frame time. GPU power consumption can be reduced by changing GPU state to low power state after finish drawing.We propose the method that estimates end of one frame drawing using number of drawing in one frame time. We evaluate our method by prototype that runs on Nexus5. Proposed method can reduce 1.8% to 4.7% of terminal power consumption.

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