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- 「移行性」と「滞留」『海辺の墓地』に見るヴァレリー詩学の一面
- イコウセイ ト タイリュウ ウミベ ノ ボチ ニ ミル ヴァレリー シガク ノ イチメン
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Abstract
少年期より関わってきた詩的言語の省察からポール・ヴァレリーは、詩語の性質であるとともに、言語活動一般を可能ならしめる本質として、言語における「移行性」を見出し、その具体的諸相を『カイエ』に記録した。彼はその特徴を自家薬篭中のものとして駆使すべく、一度放棄した詩作を再開し、矛盾に満ちた言語の「移行性」から目を逸らすことなく考察を深め、幾多の名詩を紡いできた。『海辺の墓地』では、そのような言語の「移行性」を逆手に取り、その「移行性」を剥き出しにするかのように、意図的に、多義的な象徴言語を駆使し、絶えず変化する多層的な詩的世界を表わすと同時に、詩の構造そのものにおいても、無限の反復運動を惹起する連環的構造を企んだ。その結果としてこの詩では、言葉の内部と外部で無限に続く移行の過程において、一見、移行そのものが停滞する、そんな静止的印象を生み出す2つの特権的な場面が描かれることになる。そのひとつは、反復の永遠性が元となって生じる全体性の印象において、効果として生まれる静止であり、他方は、多方向の力が極限状態で、調和に達した瞬間に訪れる静止である。いわば反復的永遠性の静止と、調和的静止とである。
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KJ00004766777
Journal
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- Bulletin of Shizuoka Sangyo University
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Bulletin of Shizuoka Sangyo University 9 71-80, 2007-01-01
藤枝 : 静岡産業大学情報学部
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Details 詳細情報について
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- CRID
- 1050282812990962688
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- NII Article ID
- 110006459133
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- NII Book ID
- AA12128685
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- NDL BIB ID
- 8740965
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- Text Lang
- ja
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- Article Type
- departmental bulletin paper
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- Data Source
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- IRDB
- NDL
- CiNii Articles