心原性心停止が原因と考えられた34歳女性の溺水例

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  • Near-drowning of a 34-Year-Old Woman Apparently Due to Cardiogenic Cardiac Arrest : A Case Report

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症例は34歳女性.自宅で入浴中に溺水状態で発見された.家族がCPR を開始,救急搬送中に心拍再開.心停止時間は30分以内と考えられた.来院時血圧131/112mmHg,心拍数105回/分.意識レベルGCS E1V1M1,呼吸状態不良で気管挿管,人工呼吸管理とし,脳低温療法,脳圧降下剤投与を開始した.血液所見ではAST449U/L,ALT342U/L,CK290U/L と上昇を認めた.またCT 検査では脳出血等はなく,両側肺の浸潤影を認めた.意識レベルに改善無く,第3病日の頭部CT 検査では脳腫脹の増強を認めた.脳波も平坦であり蘇生後脳症の状態で第7病日に死亡した.発症以前に特に胸痛などの訴えもなく,剖検を行った.心筋の一部に変成を認め,肝うっ血を認めた.病理組織検査でも心室筋層内に一部黄褐色調の変成,乳頭筋壊死を認め1~2週間以内の心筋炎の可能性が示唆された.病理所見上は心停止に先行した感染症等による心筋炎,うっ血肝,肝炎があり,心筋炎から不整脈を引き起こしたことが示唆された.

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