当院の深夜帯救急搬送からみる高知県救急医療の問題

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現在,我が国は世界一の超高齢化社会を迎えており,それに伴い高齢者の救急搬送数も急速に 増加している.救急搬送数は今後も増加していくことが予想されるが,特に深夜帯は搬送受け入れの できる二次救急病院が少なく,たらい回しに近い状態になるケースも少なくない.そこで今回,深夜 帯の救急搬送について詳しく調べることで,何らかの対策を立てられるのではないかと考え,次の調 査を実施した. 2016 年4 月1 日~9 月30 日の半年間において,午前2 時~5 時の時間帯に当院に救急搬送された患者 196 人について調査を行った.その結果,深夜帯における救急搬送患者の入院率は,深夜帯以外の全 時間帯における入院率よりも有意に低かった.また,搬送患者の過半数は65 歳以上であり,高齢にな るほど緊急性が高くなる傾向にあった. 従来のピラミッド型の救急システムは,二次救急病院の弱体化により本来の機能を果たせなくなって きている.そのため,ER 型救急システムの導入や救急車の一部有料化といった,救急体制の根本的 な見直しが必要である.

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