消化器症状が先行した劇症1型糖尿病の1例

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タイトル別名
  • A case of fulminant type1 diabetes mellitus presented with gastrointestinal symptoms

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抄録

消化器症状が先行した劇症1型糖尿病(FT1D)の1例を経験した。過去の自験例2例を踏まえ報告する。  症例は68歳男性。入院1週間前から下痢をしていた。入院4日前から口渇・多飲・多尿があった。当院受診時HbA1c(NGSP値) 6.6%、随時血糖 501mg/dl、尿ケトン体 (3+)であり、緊急入院となった。経過中に空腹時血清Cペプチドの枯渇を認め、膵島関連自己抗体は陰性であり、劇症1型糖尿病と診断した。入院後インスリン療法を開始し、全身状態に安定化に伴い、第12病日に退院となった。  劇症1型糖尿病は、約70%の症例で呼吸器症状や消化器症状が先行すると言われている。今症例及び過去の自験例2例の3例ともに消化器症状の先行が見られていた。今後、救急外来で初療を行う際には、感冒や腹痛などの主訴に対しても、尿検査や血糖測定を行う事が推奨される。

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