病室環境が生体反応にもたらす影響への検討

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  • An examination of care environment and its effect upon biological reactions

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本研究の目的は、においによる病室環境の変化が個別の生体にどのような影響を及ぼすのかを明らかにし、快適な病室環境のあり方について検討することである。研究方法は、健康な女性4名を対象に、人工排泄臭・ラベンダー臭・食事臭を、客観的指標(においセンサー・心拍計・発汗計)と主観的指標(α-6段階強度表示)を用いて、臭気発生前・臭気発生中・換気5分後・換気10分後に測定した。結果は、におい発生源にさらされている時間が5分間では、生体反応はみられなかった。客観的におい強度と主観的におい強度は同じように変化し、主観的におい強度は個人によって異なった。においは気流によって発生源である患者側から同室者側へ拡散していた。においは換気5分後、ほぼ臭気発生前の状態に戻った。以上より、臭気の有無は、客観的なにおい強度のみで判断するのではなく、主観的に感じるにおいの強さを大切にする必要がある。快適な病室環境をつくるには、病室内の気流や部屋の密室状態・部屋の広さなど考慮する必要がある。消臭対策として換気は有効であり、最低でも5分間行うことが効果的であることが示唆された。

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