島根県における保育所保母のヘルス・ケアに関する研究(第3報) : 保育業務に関する現状と問題点

書誌事項

タイトル別名
  • Studies on the Health Care of Nursery Governess in Shimane Prefecture Part 3. Working Condition and Problems in the Nursing
  • 島根県における保育所保母のヘルス・ケアに関する研究-3-保育業務に関する現状と問題点
  • シマネケン ニ オケル ホイクジョ ホボ ノ ヘルス ケア ニ カンスル ケン

この論文をさがす

抄録

島根県における保育所保母のヘルス・ケアのあり方を検討する立場から,今回は,保母の1日の生活時間構成,日常の保育労働内容の実態について調査を行った。本調査対象者は,市部の公立36名,私立124名,郡部の公立108名,私立52名でそれぞれ160名を無作為に抽出し検討した。保母の年代構成は,20代が62.8%を占め,地域・設置主体別ともに20代が最も多かった。保母1人の担当園児数は平均して乳児では4~6人が58.4%,幼児では11~20人が65.0%と最も多かった。勤務時間については,市部,郡部ともに平均8.5時間を占め,とりわけ市部の私立が8.7時間と最も多かった。地域・設置主体別ともに勤務中の休憩時間がきわめて少なく,保母の特殊性がうかがわれた。年代別では,中年層は,家事,育児に費やす時間が多く,若年層は,社会・文化的な時間に費やす時間が多かった。保育労働内容では,中年層は保育所管理的な仕事が多く,若年層では,子どもに接する時間が多い傾向がみられた。それぞれの保育所の労働条件,環境条件等の実態や問題点の把握に基づいた健康管理システムの確立と,職場と家庭を総合的にとらえたライフスタイルの改善,さらに保母に対する職場健康教育の充実が必要と考えられる。なお,本研究にあたり御指導を賜わりました本学大久保英子名誉教授ならびに,島根医科大学第2環境保健医学山根洋右教授,吉田暢夫助教授,中川昭生助手,また,調査に御協力いただきました島根県各保育所長,ならびに保母の方々,島根県および関連市町村の社会福祉関係の方々に厚く御礼申しあげます。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ