臨床心理学における子どもの描画に関して --相互交流としてのスクィグルを中心に--

書誌事項

タイトル別名
  • A Study of Children's Drawings in Clinical Psychology: Focusing on the Squiggle Game as Mutual Communication
  • リンショウ シンリガク ニ オケル コドモ ノ ビョウガ ニ カンシテ : ソウゴ コウリュウ ト シテ ノ スクィグル オ チュウシン ニ

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説明

本論では, 認知発達的側面から述べられることが多い子どもの描画について, 心理臨床的な視点からその意義や描画の中で生じていることについて文献を用いて検討した。なぐりがきから象徴性を持った絵となり, 形が生じて画面が秩序化されていく描画の発達的変化は, 言語や社会性, 様々な心理発達と複雑に絡み合っている。言語能力が未熟である子どもにとって描画はコミュニケーションとなり, 臨床場面において描画はセラピストとクライエントの中間領域での遊びと考えられる。とりわけ相互性の高いスクィグルは間主観的なものであり, 言葉になり得ないものを表現するとともに言葉での表現を促し得ると示唆されている。スクィグルをはじめとする子どもの描画は内界を表現し他者に伝えるとともに, 描画行為そのものが相互的な交流の場にもなり, 描画からその交流の質や他者・外的世界との関わり方についても検討することができる可能性が考えられた。

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