作業療法学生に対する死生観教育の効果検証

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タイトル別名
  • The Effectiveness of Views of Life and Death Education for Students in the Division of Occupational Therapy
  • サギョウ リョウホウ ガクセイ ニ タイスル シセイカン キョウイク ノ コウカ ケンショウ

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抄録

死生観とは生と死についての個人の考え方であるが、死について考えることが生の価値を高め、 命の尊厳を理解し、患者の捉え方や接し方等の医療の質の向上につながる。本研究では、作業療法学 生を対象に死生観教育を実施し、その効果を検討した。 方法:死生観教育は、講義と演習で構成され、講義内容は死の定義、死生観とは何か、死の受容過程、 死の概念の発達段階、グリーフとグリーフケア、安楽死・尊厳死、リビングウィル、自殺とその予防 等であった。また、演習内容は、病気の発症・告知段階、闘病・再発段階、抑うつ段階、末期・臨終 段階の4段階から構成される物語を聴き、死を疑似的に体験させた。 結果:死生観教育の前後比較において、死生観、生きがい感、不安感、情動知能に有意な変化が認め られた。一方、終末期患者への態度には有意な変化が認められなかった。 考察:生の有限性を考えることは、命の尊厳を理解する機会となり、学生自身の生きていく力の向上 にも有効であることが示唆された。しかしながら、終末期患者への態度を変化させるには至っていないため、今後さらに死生観教育の内容および時間を充実させる必要がある。

弘前医療福祉大学紀要, 8(1), p.31-38, 2017

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