昭和初期東京吉祥寺における道路拡幅事業と駅前商店街の変化 : 家屋所有者の役割に注目して

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Other Title
  • Relationship between the construction to widen the road and the change of the shopping district near the Kichijoji station, Tokyo, early Showa-era: by focusing on the role to which the house owner

Abstract

type:text

昭和初期の吉祥寺地区で実施された府道拡幅事業を事例に、沿道住民の行動と商店街の形成過程について検討した。府道180号線は、吉祥寺駅に通じる唯一の府道であると同時に、井之頭恩賜公園への接続道路としての役割を担っていた。同道では、拡幅事業の前後で沿道商店街の姿が大きく変わった。事業前後で多くの商業経営者が入れ替わった理由は、家屋所有者か借家人かという属性の違いに関わっていた。また、移転や立退きに伴う補償料の支払い額は家屋所有者と借家人で大きく異なっており、彼らの判断材料になっていた。沿道で最多の家屋を所有していた春山庄右衛門は旧家出身であり、拡幅事業以前は多くの貸家経営を行なっていた。事業完了後も沿道に戻り商業を継続する一方、他所出身の商店主らによって結成された商店街組織の代表者として署名している。地域住民の紐帯としての役割を果たした春山氏の行動は、地域形成において重要なものであった。

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Details 詳細情報について

  • CRID
    1050282813220533376
  • NII Article ID
    120006532333
  • ISSN
    02852454
  • Web Site
    http://id.nii.ac.jp/1351/00007028/
  • Text Lang
    ja
  • Article Type
    departmental bulletin paper
  • Data Source
    • IRDB
    • CiNii Articles

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