明末淸初の記憶と懷舊 : 余懷と姜垓の交遊を手がかりに

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  • メイマツ セイ ハツ ノ キオク ト カイキュウ : ヨカイ ト キョウガイ ノ コウユウ オ テガカリ ニ
  • ミンマツ シンショ ノ キオク ト カイキュウ : ヨ カイ ト キョウ ガイ ノ コウユウ オ テガカリ ニ
  • Literati's Memory and Retrospect in the Late Ming and Early Qing Dynasty : With a Yu-Huai(余懐)and Jiang-Gai(姜垓)'s friendship relation as a clue

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明末清初に活躍した文人余懐はその著『板橋雑記』においてすでに失われてしまった明末南京の平和な時代の情景や、この世を去った友人・妓女たちの事跡につにいて記している。その中で余懐は親友である姜垓について、南京の遊里に出入りしていた頃のエピソードを記述し、それを「風流の余韻」と称している。明末の文人の気風が窺える一文である。本稿では、まず第一節で姜垓の生涯や人物・家族など、基本的な事項について概観した上で、第二節では余懐との具体的な交遊、特に甲申の変後の文学的な事跡について述べ、両者の交遊を明らかにする。そして、余懐にとって姜垓とは如何なる存在であり、それが余懷の文学作品に如何に影響したのか。とりわけ晩年に制作された『板橋雑記』に与えた影響はどのようなものであったのか。ひいては当時の明末清初に生きた文人たちの有り様はどのようであったのか、それを知る手がかりとしたい。本稿はその一段階として、余懐と姜垓について論じたものである。

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