Criminal Regulatory Scienceの試み : 「法と経済学」からのアプローチ

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  • Criminal Regulatory Science ノ ココロミ ホウ ト ケイザイガク カラ ノ アプローチ
  • Trial of Criminal Regulatory Science : Approach by "Law & Economics"

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抄録

日本の犯罪学は古くから学際的な営みとして発足し、現在では医学・心理学・法学・社会学等の総合をめざす段階に達している。一方、レギュラトリー・サイエンスは、行政・厚生科学の為の有効性と安全性の評価学として、日本において内山充が概念を提唱し、薬学会・行政において展開し、最近、学会として成立した。特に医療レギュラトリー・サイエンス(Medical Regulatory Science)の方向性が注目を集めている。医療を初めとする生命科学と法学・行政・政策等の社会科学との狭間に、諸問題が存在し、犯罪学はまさにその狭間に存在する。レギュラトリーサイエンスには法学のみならず医療経済学のような要素が含まれこれは行政的展開において欠くことができないが、現在の犯罪学の中に、社会保障や経済学的な視点は直接的に包含されていない。同時に、犯罪学において、生命科学として必要なエビデンスや枠組の視点が、社会科学として把握された時に失われてしまう。心理学や経済学のようなアプローチを利用して、この損失を対償できる可能性がどのように存在するのか。このような試みとして、Criminal Regulatory Scienceを提唱したい。例えば、法と経済というような分野が、このような視点から現在の犯罪学にどのように有効なのか、考察することは有益と思われる。

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