看護学科におけるE-learning「ナーシングスキル日本版」の利用状況と課題

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タイトル別名
  • カンゴ ガッカ ニ オケル E-learning 「 ナーシングスキル ニホンバン 」 ノ リヨウ ジョウキョウ ト カダイ

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説明

看護学科におけるE-learning「ナーシングスキル日本版」の利用状況と課題を明らかにすることを目的に研究に取り組んだ。研究対象はナーシングスキル日本版」の学生のアクセス履歴である。研究方法は①アクセス履歴から教員の利用履歴を減じ,学生のアクセスデータを基礎データとして利用状況を把握する。②そのデータから年度別アクセス状況やコンテンツ別アクセス状況,手技カテゴリー別アクセス状況を取り出し,その特徴を明らかにする。そのうえで,導入の目的を達成するための課題を明らかにする。研究結果・考察①アクセス総学生数は延べ683人,アクセス数合計は1,599回であった。年度別でも2014年入学生を除き,平均すると一人あたり2回はアクセスしていた。多いとは言えない。②学年では1年次のアクセスがもっとも多く2年次のアクセスが極端に少なかった。アクセス環境に問題があるのか,技術に関する関心が薄れていくのか,課題等に追われ,その余裕すらないのか,その要因は明確にならなかった。③2013年入学生の結果から1年次のアクセス経験があれば学年が進んでもアクセスするのではないかと仮定できる。1年次の動機づけが課題ではないかと考える。④入学年度によるアクセス数に大きな差があった。その要因は今回の研究では明確にならなかった。⑤コンテンツ別アクセスでは1回のアクセスで2.37回コンテンツをみていた。手順と映像へのアクセスが多かった。⑥手技カテゴリー別アクセスについては全体的に環境調整技術,食事援助技術といった〔生活援助技術〕が53%。症状・生体機能管理技術,感染防止技術といった〔共通基本技術〕26.6%であり,両者で89.6%を占めている。1年次のアクセス数が多いことから1年次の講義や演習の反映であると考える。2,3年次はアクセス総数の少なさと同様に手技カテゴリーへのアクセスも少ない。これは2,3年次の講義や演習,臨地実習が反映されているとはいえないという結果である。もちろん手技カテゴリーの広がりも少ない。要因として,臨地実習中はアクセスする余裕はないことが考えられるが,講義や学内演習でも活用されているとはいいがたい。今後,2,3年次の学生の「ナーシングスキル」利用に関する認識を調査すること,加えて手技の内容を教員が把握し,様々な技術に対する学生のイメージ化を図るために,どのような活用の仕方があるのかを検討することも必要であると考える。

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