青年期におけるパーソナリティの安定性と変化に関する一考察:人生の転機を経験した者の自伝を用いた検討の試み
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説明
青年期は可塑性に富み、パーソナリティも大きく変わりやすいと言われる。これまでの、質問紙性格検査を用いた大量データに基づく調査では、パーソナリティが変化しないものがある程度いる一方で、変化したものもいることが分かっている。しかし、個々の人間がどのようにしてパーソナリティを変化させた(あるいは変化させなかったのか)については明らかでない。そこで、人生の転機(非行からの立ち直り)を経験した者による自伝を用いた検討により、パーソナリティの安定性と変化についての考察を行った。転機の前もあとも、外向性といった基本的なパーソナリティ特性には変化がなかった。また、職業人として自立していく過程で、誠実性を高めていたことがうかがえた。以上のことから、人生の転機を得た者でも、パーソナリティが劇的に変化するわけではなく、ある程度の安定性を保ちつつ、一部の特性が望ましい方向に変化することがうかがえた。
収録刊行物
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- 奈良女子大学心理臨床研究
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奈良女子大学心理臨床研究 3 15-19, 2016-03-31
奈良女子大学臨床心理相談センター
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1050282813397211520
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- NII論文ID
- 120006708440
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- NII書誌ID
- AA12714928
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- HANDLE
- 10935/5301
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- 本文言語コード
- ja
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- 資料種別
- departmental bulletin paper
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- データソース種別
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- IRDB
- CiNii Articles