高齢になって初めて犯罪に手を染めた女性犯罪者に関する研究 (総説)

書誌事項

タイトル別名
  • A Study of Female Offenders Who First Committed Crime in Their Later Years
  • コウレイ ニ ナッテ ハジメテ ハンザイ ニ テオ ソメタ ジョセイ ハンザイシャ ニカンスル ケンキュウ ソウセツ

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抄録

超高齢社会を迎え, 高齢者による犯罪が増加している. 高齢者による犯罪の増加は日本特有の現象であり, 今後ますます高齢化が進むと予想されるなか, その実態や要因を把握し, 対策を考えることは極めて重要である. 高齢犯罪者の約 3 分の 2 は高齢者になってから初めて罪を犯した層 (初発群) であり, 犯罪の背景には, 経済的要因や福祉的要因などに加え, さまざまな要因が複雑に絡んだ上での社会的孤立があることが指摘されている.女性の高齢犯罪者 (初発群) について, 最も多い窃盗では, 生活基盤はあり, 生活費自体に困っていたわけではなく, 高齢になって万引を繰り返すようになった者が少なくない. 周囲からの働きがけや支えがほとんどないことからくる孤独感・孤立感といった心理的要因が犯行に影響している可能性がある. 更生に向けては, 女性の特性である 「関係性」 を大切にする面を引き出し, 男性とは異なる目標での処遇を行っていく必要がある.

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