台湾人日本語学習者の助詞「まで」にかかわる誤用について : 中国語の‘到’との対応を中心に

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タイトル別名
  • タイワン ジンジツホンゴ ガクシュウシャ ノ ジョシ 「 マデ 」 ニ カカワル ゴヨウ ニ ツイテ : チュウゴクゴ ノ'イタル'ト ノ タイオウ オ チュウシン ニ
  • Common Errors with the Particle “made” of Taiwanese Learners of Japanese : Contrasting the Japanese “made” with the Chinese “dao”

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抄録

type:論文

本稿の目的は,台湾人日本語学習者の表現に見られる「このお祭りは翌日の午前三時ごろまで終わります。」のような誤用が生まれる原因について,一つの答えを提示することである。本稿では,上記のような誤用が生まれる原因を,対応する中国語の表現に求めた。「(時間)まで」に対応する中国語には‘到~’が考えられるが,‘到~’には,名詞句の前に現れて「まで」の意味を表す前置詞的な用法のほかに, 「(時間)になる」の意味を表す動詞的な用法がある。このため,‘到(時間)’を日本語に置き換える際には,文脈に合わせ,あるいは文法的な規則に従い,「(時間)まで」と「(時間)になる」のいずれかを適切に選択する必要がある。しかしながら,これを機械的に「(時間)まで」と置き換えたことにより,上記のような不自然な文が現れる,と本稿では考えた。そこで,‘到(時間)’を含む中国語の文を日本語に置き換えてもらう調査を行い,「(時間)になる/なって」のように置き換えるべきものを「(時間)まで」と置き換えたことによる誤用の出現率から,この仮説を実証することを試みた。その結果,設問による差は見られたものの,「(時間)になる/なって」とすべきところで「(時間)まで」と置き換える回答が多かったことから,仮説が実証されたものと結論づけた。また,調査結果からは,学習者が「(時間)まで」と「(時間)までに」の違いを十分に理解していないと思われる傾向も見られた。

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