韓国・朝鮮語学習の初期段階における文字と発音の教授法に関する一考察 : 母音字とその発音を中心に

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タイトル別名
  • カンコク・チョウセンゴガクシュウノショキダンカイニオケルモジトハツオンノキョウジュホウニカンスルイチコウサツ : ボインジトソノハツオンヲチュウシンニ
  • Teaching Pronunciation and letters to Korean language Beginners : A Focus on vowels

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抄録

type:論文

韓国・朝鮮語の文字は,母音字母と子音字母を有する音素文字である。およそ日本における韓国・朝鮮語教育は,この文字と発音を学習することから始まる。母音字を例にとった場合,単母音の数は日本語の倍近くあり,また重母音にいたってもその数は倍を超える。日本語母語話者にとっては,母音の数を覚えるだけでもかなりの時間と労を要する。現在,市販の学習書や教材では,初期段階における,母音字の学習パターンが,大きく二つに分けられる。一つは,制字原理によるもので,ハングル文字が生成された順に沿って学習させる方法である。もう一方のパターンは制字原理をはなれ,日本語母語話者を対象にするという点を考慮して,単母音から重母音へと順に教えていく方法である。これは,日本語の「アイウエオ」からなる5個の単母音を念頭においたものにほかならない。 どちらのパターンにせよ,母音に対する発音の説明が,日本語の母音に関連付けながら,細かい口の動きや舌の位置を解説するといった方法がとられている。両者とも,内容的に大きな違いはないとはいえ,学習書ごとにその説明の仕方が多少異なっていることも事実である。より簡潔で学習者にとって理解しやすい発音の仕方について,既存の学習書を分析しながら,効果的な母音字の学習法(教授法)について考察した。その結果,学習初期段階における単母音については,口の動きを大きく三つのパターンに分類することによって,容易に学習できる可能性を導き出した。これらは,制字原理にともなう陰陽母音字にたいする説明を初期の段階から導入することで,陰陽母音に関連して習得すべき文法諸規則をより効果的に習得できるという利点もある。

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