学童のライフスタイル改善に関する基礎的研究

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タイトル別名
  • ガクドウ ノ ライフスタイル カイゼン ニ カンスル キソテキ ケンキュウ
  • A Study on the Improvement of Life Style among Elementary Schoolchildren

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抄録

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成人病を予防するには子供の頃から適正なライフスタイルの形成が大切である。そこで,今回,愛知県N市内の2小学校の低学年487名の日常生活習慣と健康に関する調査を行い,以下に示す結果を得た。1)「タバコを吸うと心臓に悪い」と回答した者は多く91.3%であった。2)成人後に喫煙を望む者は,男子13.4%,女子3.6%であり男子の方が高かった。喫煙経験者は男子12.5%,女子3.6%であり男子の方が高かった。また,家庭に喫煙者がいる者の方が喫煙経験率が高かった。3)成人後に飲酒を望む者は男子26.6%,女子10.9%であり,男子の方が高かった。飲酒経験者は男子54.4%,女子39.4%であり,男子の方が高かった。4)塩分,脂肪を多く含む食品の正答率は高く95%を越えている。コレステロールという言葉を知っている者は16.1%と低かった。5)朝食を毎日食べる者は78.4%であった。6)コーラなど,健康に必ずしも良いとは限らない食品を好む者は多く,特に,アイスクリーム,インスタントラーメンを「毎日十時々食べる」とした者はそれぞれ75.6%, 74.9%であり,多くの子供達に好まれている。7)有酸素運動を理解している者は少なく,「重い物を持ち上げる」運動と誤解している者は59.4%あった。 以上,今回の小学校低学年のライフスタイル調査からいくつかの問題点がみられた。そのひとつして,小学校低学年において「朝食をほとんど食べない」子供がみられた。このような子供らには「なぜ朝食を食べてこないのか」の調査が必要であり,子供の健康にとって朝食は大切であることを家庭と連携して指導していかねばならいと考える。また,家庭に喫煙者がいる場合,子供の喫煙経験率が高いことが認められたが,喫煙を始めとする他の健康習慣についても親の健康実践が極めて大切であることが窺われた。

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