長野県安曇野市におけるメディアの効果と地域の再編 : NHK連続テレビ小説『おひさま』がもたらすもの

書誌事項

タイトル別名
  • ナガノケン アズミノシ ニ オケル メディア ノ コウカ ト チイキ ノ サイヘン : NHK レンゾク テレビ ショウセツ 『 オヒサマ 』 ガ モタラス モノ
  • Regional Restructuring with Media-induced Tourism in Azumino City, Nagano : A Case of NHK TV Drama “Ohisama”

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抄録

本報告は長野県安曇野市を事例に、NHKの連続テレビ小説として放映された『おひさま』が地域にもたらす影響を調査したものである。テレビドラマや映画の放映が地域、および地域の観光にもたらす影響はメディア誘発型観光の研究として取り組まれてきた。しかし、放映中の地域の状況を調査し、報告した事例は少ない。そこで、本報告では『おひさま』放映中の安曇野の状況を調査した。安曇野は豊かな自然と景観を持ち、過去のメディアや『おひさま』でもその特性が大きく伝えられている。ところが、『おひさま』の放映は観光客に安曇野訪問の契機を与えたものの、観光客の行動や市街地景観には顕著な変化を生じさせていなかった。一方で、『おひさま』の放映を契機に「おひさま御膳」という新たな食の掘り起こしが地域住民を主体にして行われ、それは住民のもつ地域に対する意識を向上させた。総じて、安曇野の事例では『おひさま』の放映が地域に食という新たなテーマやストーリーの創造をもたらしたことが明らかとなった。

収録刊行物

  • 観光科学研究

    観光科学研究 (5), 1-14, 2012-03-30

    首都大学東京 大学院都市環境科学研究科 観光科学域

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