宿泊費用に対する労働人口と施設規模の影響とその地域的差異に関する一考察 : 長崎県を事例に

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タイトル別名
  • シュクハク ヒヨウ ニ タイスル ロウドウ ジンコウ ト シセツ キボ ノ エイキョウ ト ソノ チイキテキ サイ ニ カンスル イチ コウサツ : ナガサキケン オ ジレイ ニ
  • Some Considerations of Accommodation Cost for Labor Force and Facility Size : Case of Nagasaki Prefecture

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抄録

本研究の目的は宿泊産業の労働人口と宿泊施設の規模が宿泊費用におよぼす影響とそれらの地域間の差異について長崎県を事例に検討することである。長崎県は県全体を通して観光に力を入れている県のひとつである。また、地理的な特徴として長崎県は都市部や沿岸部だけではなく、複数の有人島を保有しているといった地域である。そのため地域によって観光の形態に違いがあることが考えられる。たとえば、宿泊面では都市部には大型のホテルが多く、島嶼部では小規模な民宿が多く立地するといった違いである。そこで都市部および島嶼部を有する長崎県の宿泊産業に着目し、観光者が負担する宿泊費への影響と地域的差異について検討した。分析の結果、収容人数が大きい施設は一人当たりの宿泊費用を高くする傾向がある一方、労働人口規模は一人当たりの宿泊費が低くする傾向にあることがわかった。さらに従業者人口の特化係数と一軒あたりの収容人数を推計し、地域間比較をおこなった結果、宿泊産業および宿泊施設が多様な地域と限定的な地域との間に差が見られた。これらの分析を踏まえ、今後長崎県全体で宿泊者数が増減した場合、全体的に等しく増減するわけではなく、宿泊客数の格差が地域間で広がっていくと予想した。

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収録刊行物

  • 観光科学研究

    観光科学研究 (9), 141-147, 2016-01-31

    首都大学東京 大学院 都市環境科学研究科 観光科学域

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