遺伝性高脂血症家兎における血漿トリグリセリド値と動脈硬化病変の進展との関連

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タイトル別名
  • Relation Between Age and Atherosclerosis in Heritable Hypercholesterolemic Rabbits with Levels of Hypertriglyceridemia from Extereme to Mild Levels
  • イデンセイ コウシケッショウ カト ニオケル ケッショウ トリグリセリド チ ト ドウミャク コウカ ビョウヘン ノ シンテン トノ カンレン

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抄録

論文(Article)

[背景] : 高トリグリセリド血症は動脈硬化との関連が示唆されている。我々は遺伝性高コレステロール血症ウサギ(Watanabe heritable hyperlipidemic (WHHL) rabbit)から、高度の高トリグリセリド血症(TG>500 mg/dl)を示す系統(TGH)と中等度の高トリグリセリド血症(TG<250 mg/dl)の系統(TGLを分離した。これら2系統の動物モデルを用い、高トリグリセリド血症の程度の差による動脈硬化への影響について検討した。[方法] : TGH 21羽、TGL 20羽について血清脂質および4、8、12ヶ月齢における動脈硬化を形態学的に解析した。[結果] : 大動脈における粥状プラーク面積およびプラーク厚、冠動脈狭窄率は、TGH、TGLにおいてともに加齢とともに進行した。大動脈プラークはTGHでは大動脈弓部周辺に多いのに対し、TGLでは弓部から腹部大動脈にかけて比較的均等に分布していた。大動脈プラークの中心はマクロファージ由来の泡沫細胞とコレステリン結晶が集積しているのに対し、冠動脈狭窄部は線維筋性の増殖が主体であった。TGHの形質は常染色体優性遺伝を示すことが明らかになっている。TGHにおける大動脈プラーク分布の特徴はF2世代においても同様であった。[結論] : 複合型高脂血症モデルにおいて動脈硬化プラークは大動脈および冠動脈に見られる。高度の高トリグリセリド血症は冠動脈硬化に対しては影響が少ないが、大動脈においては硬化巣の分布に影響を及ぼし、弓部において粥状プラークを形成しやすい。

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