ナシ主産地における品質改善対策(1) : 長十郎の品質実態と品質関連要因の摘出

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  • ナシシュ サンチ ニ オケル ヒンシツ カイゼン タイサク 1 チョウ ジュウロウ ノ ヒンシツ ジッタイ ト ヒンシツ カンレン ヨウイン ノ テキシュツ

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1.主産地長十郎の品質改善をはかる基礎として,主産地ナシ園における品質実態調査と,品質関連要因の摘出を試みた。2. 品質の内容としては糖度(糖用屈折計の示度)と果肉硬度(ユニバーサル・ハードネスメーター使用)を測定した。調査要因は年次により若干異なるが,10a当たり着果数,葉成分,短果枝葉の縦横径,新梢の伸長停止率(6月下旬),樹令,土壌pH,土壌の置換性塩基(CaO,MgO,K2O)などであった。糖度および果肉硬度に対する各要因の影響の解析は重回帰分析のプログラムにより,電子計算機を用いて計算を行った。3. 主産地長十郎の品質実態を明らかにするため,1968年度は6地域から計35園,'69年度は10地域から計60園を抽出して糖度と果肉硬度を調査した。両年度の全調査園の平均糖度はそれぞれ10.91,10.93であったが,品質水準とした糖度11以上の産地は半数以下で,全園数に対する水準以上の園数の割合も45.7%および,46.7%の低率であった。両年度の果肉硬度の全調査園平均は1.57kgおよび1.46kgで,1.59kg以下を品質水準としたところ,'68年度は4産地,'69年度は全産地が水準に達した。全調査園に対する水準を上回る園数割合は65.7%および95%であった。糖度と果肉硬度の両水準を満す園数の割合は,34.3%および43.3%にすぎず,過半数の園は品質改善を必要とした。4. 1968年度から3年間にわたり,火山灰土地帯の園を対象に摘出した品質関連要因は次のとおりであった。糖度に関連する要因:樹令,土壌pH(以上+),10a当たり着果数,8月の葉中N,短果枝葉の縦径(以上-) 果肉硬度に関する要因:8月の葉中N,7月下旬の葉中Ca(以上+,したがって肉質に対しては-),樹令,短果枝の縦径(以上-,したがって肉質に対しては+)。

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