ナシ主産地における品質改善対策(2) : 長十郎園における品質関連要因の摘出

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  • ナシ シュサンチ ニ オケル ヒンシツ カイゼン タイサク 2 チョウジュウロ

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説明

主産地長十郎の品質改善対策の指針を得るため,前報にひき続き,1971,'72両年度,火山灰土地帯の主産地において品質関連要因の摘出を試みた。品質の内容は果汁糖度と果肉硬度(肉質),調査要因は,10a当たり着果数,1果平均重,葉成分,葉の縦横径,新梢の伸長停止率,樹令,土壌pH,置換性塩基,土壌全窒素,土壌三相,土壌硬度,細根数など30項目であった。調査結果の解析は,変数選択型の重回帰分析プログラムにより,電子計算機を用いて行なった。1. 糖度に関連して摘出された要因は,土壌pH,置換性石灰,同苦土,土壌硬度(以上+の要因),10a当たり着果数,葉内りん(以上-の要因)であった。2. 果肉硬度に関連して摘出された要因は,葉内マグネシウム,土壌pH,置換性苦土,土壌硬度(以上+,したがって肉質に対して-),葉内りん(-,したがって肉質に対して+)であった。3. 5年間の成績を総合すると,糖度に関連して摘出された要因は10種類,果肉硬度のそれは9種類であった。糖度に対して普遍性が高く有力な要因は,10a当たり着果数であったが,土壌pH,葉内窒素,樹令なども比較的有力な要因と考えられた。果肉硬度に関しては普遍性の高い要因が見当たらず,葉内窒素,樹令などが,やや有力な要因とみられたにすぎなかった。これらの要因について実際栽培への適用を検討した。

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