アイリスりん茎の形成・肥大に関する組織学的研究

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  • アイリス リンケイ ノ ケイセイ ヒダイ ニ カンスル ソシキガクテキ ケンキ

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抄録

慣行の球根養成栽培におけるアイリスりん茎の形成・肥大過程を明らかにする目的で,組織学的方法により研究を行なった. 1974年6月28日に母球として‘ウェッジウッド’の0.8gのりん茎を定植し実験材料とした. 定植前の8月17日から翌年の6月14日まで1週間ごとに植物体をサンプリングし,直ちに固定して組織標本を作成し検鏡した. 結果は次のとおりであった. 1.アイリスの生育期間は大きく4期に区分するのが妥当であった. 本実験の場合一次生長期は定植時から次年の1月下旬までであった. 次の生長停滞期は3月下旬までで,この間は低温によって生長が抑圧された. 生長停滞期に続く二次生長期は3月下旬から5月上旬までの約40日であった. 最後の充実期は5月上旬から6月中旬まで続いた. 2.新球の貯蔵りん片になったのは11月12日以後に分化した若い葉原基であった. 3.4月下旬までの新りん茎の貯蔵りん片の肥大は細胞数の増加と細胞肥大によるものであった. しかし,最後の50日間の生育期間におけるりん茎の肥大は主に細胞の肥大によった. 4.アイリスのりん茎形成の場合,若い葉原基は貯蔵りん片と普通葉の何れにも発達し得る能力を持っていた。

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