帯鋸歯の片あさりがひき曲がりに及ぼす影響

書誌事項

タイトル別名
  • The Influence of an Unsymmetrical Set in the Bandsaw Teeth on the Deviation of Kerf
  • オビノコバ ノ カタ アサリ ガ ヒキマガリ ニ オヨボス エイキョウ

この論文をさがす

抄録

帯鋸の片あさりがひき曲がりに及ぼす影響を調べるため, 鋸の内側と外側とであさりの出の異なる厚さ0. 9mm, 幅102mmの4本の鋸を用い (図1, 表1), 長さ600mm, ひき幅50mmと100mmのホワイトセラヤとペイツガをひき材し, 帯鋸に作用する力, 鋸身の変形とひき曲がり量を測定した (図2, 3)。鋸に作用する力のうち主分力, 送り分力の鋸による差はなかった (図4, 5)。横分力はひき材開始時から大きいあさりの出の方向に作用した。その結果, ひき道はあさりの出の大きい側に曲がった。あさりの出の差が0. 47mmの鋸2の最大ひき曲がり量 (理想ひき面からのひき面の最大偏差) は, 0. 26mmの鋸1の2倍以上であった (図7)。これは鋸2の横分力が鋸1よりも大きかったことや, 鋸2の片あさりによる送り分力の力学的な作用点の鋸身の厚さ方向の中心からのずれが, 鋸1よりも大きく, 鋸身をねじるモーメントが大きかったためと考えられる。また鋸4のあさりの出の差は鋸3よりもわずかに小さかったが, 横方向の剛性が鋸3より小さかったため (表2), ひき曲がり量は鋸4のほうが大きくなった (図8)。また横分力は被削材の繊維走行の影響も受け, 鋸が被削材の繊維走行に沿ってねじれる方向に発生し, その結果, 繊維定行方向と送材方向のなす角度が大きくなるほどひき曲がり量も増加した (図6)。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ