人工飼料育蚕種の人工孵化にみられる特性

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  • ジンコウ シリョウイク サンシュ ノ ジンコウ フカ ニ ミラレル トクセイ

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抄録

原蚕の全齢人工飼料育において壮蚕期に桑葉粉末含量25%の人工飼料を用いて5齢期給餌量を標準量より20%増量又は20%減量した場合の産卵性並びに人工孵化との関係を検討した。給餌量を増量すると繭重,繭層重は重くなるが,不受精卵及びその他の不良卵蛾が多くなり,正常卵蛾歩合が低くなった。給餌量を変えて得た蚕種の人工孵化処理における孵化率は品種によって異なるが,即時浸酸種では,支146号は減量区の孵化率が明らかに高かったが,その他の品種では一定の傾向は見られず,冷蔵浸酸種は日本種,中国種ともに減量区が高かった。浸酸時間については即時浸酸,冷蔵浸酸ともに日本種は短め,中国種は長めの浸漬が適当であった。人工飼料育によって得られた蚕種は即時浸酸後20日以上冷蔵すると孵化率が低下し,冷蔵浸酸種は60日以上冷蔵することにより孵化率が高くなった。人工飼料育によって得られた蚕種は,桑葉育によって得られた蚕種に比べ孵化率が低い場合が多かったが,5齢期給餌量の調節,または人工孵化の際に適切な処理を行うことによって桑葉育蚕種に比べ大差ない孵化率が得られた。

収録刊行物

  • 蠶絲試驗場彙報

    蠶絲試驗場彙報 (132), 187-198, 1988-02

    つくば : 農林水産省蚕糸試験場

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