圧縮セットの水分・熱回復 : 含水率および飽水状態下の温度上昇による回復挙動

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  • アッシュク セット ノ スイブン ネツ カイフク ガンスイリツ オヨビ ホウス

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抄録

本研究の目的は, 前報で認めた圧縮セットの回復をより詳細に調べ, セットの基本的性格をさらに明確にすることである。3樹種の飽水試片がマイクロ波を照射して熱せられた後, 木材半径方向を圧縮され, 拘束下で乾燥された。このようにして作製されたセット材について, 数段階の吸湿含水率, 飽水状態下の温度上昇によるセットの回復量が, それぞれ測定された。得られた結果は, 以下の通りである。1)木材半径方向を圧縮して作製された圧縮セット材は, Fig. 1に示しているように圧縮した方向(木材の半径方向)と直角の方向(木材の接線方向)に樹種によって著しい寸法の増大を示す。2)初期のセット量を1としたときの吸湿含水率, ならびに温度上昇によるセットの変化は, セット量の大小によらないほぼ等しい値を示した。このことは, セットの基本的性格がセットの程度によって異ならないことを示唆している。3)吸湿含水率1%増加あたりのセットの回復量は含水率の増加で漸増した。4)温度1℃増加あたりのセットの回復量は, 20-100℃範囲内のある温度でいずれの樹種も最大値を示した。最大値を示すときの温度は, ヤチダモ, ブナの広葉樹材とラクウショウの針葉樹材とでことなり, 広葉樹材に比べて針葉樹材で高い温度であった。

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