千葉県における農作物の光化学オキシダント可視被害の推移

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  • チバケン ニ オケル ノウサクブツ ノ コウカガク オキシダント カシ ヒガイ

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抄録

千葉県における光化学オキシダントによる農作物可視被害の発生実態を把握する目的で,1973年から毎年7月下旬に指標植物を用いた現地調査を実施した。本報告では1989年までの調査結果をとりまとめた。1973年と1974年の各種農作物の被害調査から,県内で広く栽培され,オキシダント感受性の高いサトイモとラッカセイの2作物を指標植物として選定した。サトイモのオキシダント被害分布および被害の発生程度は年によって異なるものの,地域間差が明確であった。すなわち,東葛飾地域,印旛地域の県北西部と君津地域で甚だしい被害が発生しやすく,海匝地域と安房地域では被害の発生が少ない傾向が認められた。サトイモのオキシダント被害程度の年次間差をみると,1983年と1987年の被害が甚だしく,1978年と1989年の被害が軽かった。被害の発生と関係が深いと考えられる6~7月の光化学スモッグ注意報発令日数とサトイモの平均被害面積率との間に正の相関関係がみられ,サトイモの被害程度は各年次のオキシダント汚染程度を反映していることが認められた。

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