土壌タイプ別休耕田における復元時の水稲に対する窒素肥培管理

Bibliographic Information

Other Title
  • ドジョウ タイプベツ キュウコウデン ニ オケル フクゲンジ ノ スイトウ ニ

Search this article

Description

休耕田に再び水稲を作付けする,いわゆる休耕・復元田の水稲に対する窒素肥培管理を明らかにすることを目的として,3種類の土壌タイプの水田を選定し,それぞれ2年間にわたり,水稲の生育・収量および土壌の無機態窒素生成量を調べた。その結果は以下のとおりであった。1. 休耕年数が10年以上で,作土が壌土の後谷地区では,復元1年目の水稲は最高分げつ期までは草丈が連作田に比べて同等以下であったが,幼穂形成期以降は連作田を80%も上回る窒素を吸収し,多分げつで,葉色が濃く推移した。その結果,長稈で穂数過多となって倒伏するとともに,いもち病が発生し,減収した。収量は慣行の基肥窒素量の1/2区が最も高かった。復元2年目は基肥窒素量の多い区で生育が良く,収量も高かった。2. 休耕年数が4年で,作土が軽埴土の西野地区では,復元1年目の水稲生育は連作田に比べてやや劣った。しかし,葉色は幼穂形成期以降もほとんど衰えずに推移し,慣行基肥窒素量の3/4および全量区では窒素過剰となり,白葉枯れ病が発生して減収した。したがって,慣行基肥窒素量の1/2以下の区で,収量が高くなった。復元2年目は概して基肥窒素量の多い区ほど収量が高かった。3. 休耕年数が3年で,作土が重埴土の椎名崎地区では,復元1年目の水稲生育は最高分げつ期~幼穂形成期以降,旺盛となり,この期間中連作田に比べて約25%多い窒素を吸収した。その結果,長稈で穂数過多となって倒伏し,登熟歩合が低下して,減収した。収量は慣行の基肥窒素量の1/4区が最も高かった。復元2年目は基肥窒素量の多い区ほど収量が高かった。4. 上記の各地区における復元1年目の代かき施肥前の土壌の無機態窒素生成量は連作田の1.3~2.0倍であったが,水稲収穫時には1.1~1.3倍に減少し,2作目の水稲収穫時には同程度になった。5. 以上の結果から,復元田の窒素施肥は基本的には1年目は基肥量を慣行施肥量の1/2程度とし,水稲の生育状況に応じて追肥を行う必要があるが,2年目からは慣行施肥量に準じてよいと判断された。

Journal

Citations (1)*help

See more

Details 詳細情報について

Report a problem

Back to top