遠赤外線による農産物の熱伝達に関する研究

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  • エンセキガイセン ニヨル ノウサンブツ ノ ネツ デンタツ ニカンスルケンキュ

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抄録

Heat is transferred when the objected has temperature differences. In this research, the difference of two heating methods (far-infrared ray heating and hot wind heating) was analyzed. To compare their differences, the heat flux was measured by setting a heat flux meter beneath the surface of the object at different depths, then the heat conductivities and heat diffusion rates were analyzed. 1. Compared with hot wind, far-infrared ray heating has more heat flux before reaching a definite depth. 2. The heat conductivity and heat diffusion ratesby hot wind heating have specific properties with special objects. The heat conductivity and heat diffusion rate of far-infrared heating are higher than those of hot wind heating. The differences are considered to be caused by far-infrared rays.

農産物の乾燥は、産物の変質防止、貯蔵性や加工性の向上を目的として行われる。また、農産物は形状や物性が異なっており、独性な風味をもっているものが多く、その品質を重視する乾燥方法が取られなければならず、乾燥する上で種々の制約があり、それぞれの農産物に対して乾燥方法が研究されて乾燥機は独自の構造をもったものが発達している。農産物を対象にする従来からの乾燥システムは熱の利用上から分ければ、熱風乾燥、補助熱源付加通風乾燥および常温通風乾燥などのタイプが考えられる。熱を利用する乾燥は加熱された空気の中に被乾燥物を置き、対流熱伝達によって加熱し乾燥させるもので、通称は熱風乾燥という。その目的は乾燥時間を短縮させ、乾燥能率を向上することであり、もっとも一般的な乾燥方法である。従来の加熱乾燥は、被乾燥物の表面を加熱し、表面から内部への熱伝達は、被乾燥物自身の熱伝導により物体の表面から内部に熱が伝えられ、加熱されて水分を蒸発させるものである。しかし、多数の農産物は熱伝導率が小さいので、内部温度を上昇させるには、表面の温度を高くして表面と内部との温度こう配を大きくしなければならない。そのためには熱風の温度を高くし、加熱時間を長くする必要がある。温度こう配が大きいほど加熱速度は大きくなるが、乾燥過程において焦げる。煮えるなど品質に悪影響も生ずる。ここで、遠赤外線加熱の特徴を利用した農産物の高能率乾燥技術を確立するために、蒸したサツマイモを供試して加熱するとき、熱伝達の様子を熱流束および熱拡散率(温度伝達率)を用いて、熱風による加熱と比較しながら表面から近い部分の熱伝達について検討した。

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