ブドウスティルベンシンターゼ遺伝子導入によるカラタチ形質転換体の作出とその特性

抄録

カリフラワーモザイクウイルス(CaMV)35Sプロモーターの調節下に連結したVitis labrusca cv. Concord由来のスティルベンシンターゼ遺伝子をアグロバクテリウム法によりカラタチ(Poncirus trifoliata Raf.)へ導入した。導入された遺伝子はPCRで検出し,77個体が形質転換体であることを確認した。これらの形質転換体からはスティルベンシンターゼの代謝産物であるレスベラトロールは検出されなかった。しかし,多くの個体はレスベラトロールの配糖体である,抗菌活性を示さないパイシードを産生した。これは,スティルベンシンターゼにより合成されたレスベラトロールが,カラタチの内生グリコシルトランスフェラーゼにより配糖体に変換されたものと推定された。これらのことから,得られた形質転換カラタチの病害抵抗性は、向上している可能性が低いことが示唆された。

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