コウライアカシタビラメの採卵と仔稚魚の飼育

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抄録

1)コウライアカシタビラメの種苗生産技術を開発するため,長崎県島原沖産の親魚を用いて採卵試験及び仔稚魚飼育試験を行った。 2)自然産卵による採卵方法で,大量の浮上卵が得られた。 3)卵質に関する項目のうち,ふ化率-浮上卵率,卵径-SAI,水温-ふ化率で正の相関,水温-SAIで負の相関が認められ,浮上卵,卵径及び水温が卵質評価指標として有効であると考えられた。 4)稚魚の生産において,摂餌不良が要因と考えられる初期減耗が激しく,生残率は0.7%以下であった。 5)摂餌開始期の仔魚の口径は,S型ワムシを十分に摂餌できる大きさであった。 6)飼育初期において,ワムシを初期餌料とした場合は,マダイやヒラメ等に比べて著しく高い密度で給餌する必要があると考えられた。 7)ワムシを高密度で給餌すると,飼育水中のNH4-N濃度が急激に増加するため,仔魚のアンモニア耐性を把握した上で飼育条件を検討する必要があると考えられた。

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