市販清酒の実態調査(第21回)

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  • シハン セイシュ ノ ジッタイ チョウサ ダイ21カイ

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抄録

県内の86の酒造場から出品された純米酒44点、特別純米酒13点、および純米吟醸酒36点の合計93点のラベル表示等の記載内容を主とした商品形態の調査、成分の理化学分析、酒質の官能評価を行ない、その結果については次のとおりであった。 1.720mlびん詰容器の製品が多く、容器の色には多彩な形態が見られ、酒の印象付けに一役を担っている様子がうかがえた。 2.アルコール分は純米・特別純米酒に14%台が20~30%あり、純米吟醸酒ではむしろ13~17%の広い範囲にわたって分布する傾向がわかった。 3.酒質的には、日本酒度がプラスの数値が多く67%が辛目の傾向であった。味の濃淡の面では、比較的に淡い側に傾いた淡麗タイプが全体の主流と見られた。 4.審査の総合評価での異味異臭の指摘は酒質へのダメージとなってしまうこと。また純米酒である酒質がら、熟成する傾向が早いことがあって、香りの評価には熟成香の指摘が多く見られた。これに関しては熟成香をプラスに評価されるか、老香に相当するマイナス評価を受けるかの判断は、多分に熟成状況に係わってくることから、評価基準では熟成度のランク設定をもっと的確に表現する方法が必要と思われた。好ましい評価として上げられるものには、すっきりしたキレイさ、しっかりした味巾とバランスの良さ、好ましい熟成香を伴う丸い味の旨さ、柔らかくすっきりした味等で表現される評価が上げられた。

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