ヒクイドリ(Casuarius casuarius)グースタイプリゾチームの物理化学的安定性に関する研究

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タイトル別名
  • Study of the Physicochemical Stability of Cassowary(Casuarius casuarius) Goose-Type Lysozyme

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説明

ヒクイドリ(Casuarius casuarius)卵白より分離したグース型リゾチームについてpHおよび温度安定性を調べた。本リゾチームの熱安定性は0.1Mリン酸緩衝液、pH7中で90℃で1時間まで安定であった。一方同緩衝液、pH6中では30℃まで安定であったが、80℃1時間の反応で完全に失活した。また、本リゾチームの溶菌活性は37℃、4時間の反応で広い範囲のpHで安定であった。次に異なる温度でのpH安定性を調べたところ、50℃および60℃で高い溶菌活性を示していたが、pHが上昇するにつれて活性は低下した。特に65℃ではpH9において20%の活性しか残存しなかった。このアルカリ側における失活の要因を調べるため65℃でのpH4とpH9のタイムコースを測定した。その結果、1時間の反応でpH4では安定であったが、pH9では徐々に失活した。以上の結果より本リゾチームは酸性領域で安定であり、その安定性は本酵素の2次構造の非共有結合力によるものと推定された。

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