イネの葉いもち抵抗力に及ぼす低高温の影響

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  • イネ ノ ハイモチ テイコウリョク ニ オヨボス テイ コウオン ノ エイキョ

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抄録

宮城県で過去に見られた6、7月の異常気象を想定して、低温と高温がイネの葉いもち抵抗力に及ほす影響を検討した。6月前半、後半及び7月前半の3期間に分けて温度処理し、各期間の平年気温を標準として、低温区は4℃低く、高温区は4℃高く設定した。温度処理後に抽出した葉についてみると、低温期間が長かったものほど葉身の窒素濃度が高く葉いもち抵抗力が弱かったが、高温期間の長かったものほど窒素濃度が低くて葉いもち抵抗力が強かった。6月前半または後半を低温下で生育したイネは、その後に高温期間がないと7月後半でも抵抗力が弱かった。このような6月の異常気温の影響が7月後半の葉いもち抵抗力にまで及んだのは、土壌中の肥料の残存量や肥料の吸収の影響が大きかったものと推察された。低温処理中に抽出した葉は、処理直後の接種によると病斑数がかなり少なかったが、この葉いもちの罹りにくさは、その後気温が上がると打ち消されて逆に罹病的になったことから、高温下で生育したイネが安定的に示す抵抗力とは質的に異なるものと考えられた。

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