ニューカッスル病ウイルスの分子疫学

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タイトル別名
  • 解説 ニューカッスル病ウイルスの分子疫学
  • カイセツ ニューカッスルビョウ ウイルス ノ ブンシエキガク

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説明

ニューカッスル病(ND)は養鶏産業において最も重要な疾病の一つである。日本においては20世紀初頭で発生が記録されている。この時の病型は内蔵向性強毒型(viscerotropic velogenic Newcastle disease;VVND、いわゆるアジア型)であったが(その時の分離株として佐藤/30株が知られている)その後、1951年から在日米軍関係由来と思われる神経向性強毒型(neurotropic velogenic Newcastle disease;NVND、いわゆるアメリカ型、この時の代表的な分離株として宮寺/51株が知られている)の発生の始まり、1960年半ばにはVVND型(この時の代表的な分離株として習志野/68株が知られている)が再興した。その後、生ウイルスワクチンが導入され(B1/47株)ほとんどの鶏群に使用されてからは激減し、発生はワクチン未接種もしくは不適宜接種群に限られ、大規模な流行はあまりみられなくなった。しかし、ワクチン未接種群における最近の発生例でも散見されるように、ウイルス侵襲の可能性は絶えず存在し続けているが、NDウイルス(NDV)の侵入経路や存続機構は今だ不明な点が多い。一方、最近の分子生物学の発展により流行ウイルスの疫学的背景がかなり明らかとなってきた。本稿ではNDVの分子疫学的現状について著者の得た知見を中心に述べる。

収録刊行物

  • 鶏病研究会報

    鶏病研究会報 38 (2), 67-74, 2002-08

    つくば : 鶏病研究会

被引用文献 (4)*注記

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参考文献 (48)*注記

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